行政書士がランディングページを作成しリスティング広告出稿を検討する際に考えるべきこと(採算の見通し、改善余地、リピーター戦略)

ランディングページ(LP)は、検索結果に自然に表示されることは基本的にありません。そのため、リスティング広告(グーグル広告)による集客を前提として設計されることが一般的です。

行政書士がランディングページを作成しリスティング広告(グーグル広告)を活用する場合、「費用をかけて本当に効果が出るのか?」という不安はつきものです。

広告はやみくもに出すものではなく、数字で採算を見積もることが大切です。また、短期的な効果だけでなく、改善の余地や業務の継続性も踏まえたうえで判断する必要があります。


まずは前提となる広告指標を整理

広告の成果を見積もるために、以下の3つの指標を把握しておきましょう。※ここでは「建設業許可(報酬10万円)」を例にしています。

指標想定値説明
クリック単価(CPC)350円キーワード相場:「建設業許可 横浜」など
コンバージョン率(CVR)0.5%訪問者が問い合わせに至る割合(200クリックで1件)
受任率30%問い合わせから実際に契約につながる割合

広告費のシミュレーション

この数値をもとに、1件受任に必要な広告費を試算してみます。

  • CVR 0.5% → 200クリックで1件の問い合わせ
  • 受任率 30% → 3件の問い合わせで1件受任
  • クリック単価 350円 × 200クリック × 3回分 = 210,000円

つまり、1件の受任にかかる広告費は約21万円という計算になります。


この広告費で出稿すべきか?

この判断は、単純な「高い・安い」ではなく、以下のような観点で検討することが大切です。


1. 採算ラインに近づける改善の余地

数字は改善によって変わります。

  • クリック単価の調整(キーワードや広告文の見直し)
  • CVRの改善(LPの構成、料金表示、信頼感の強化)
  • 受任率の向上(問い合わせ後の対応スピードや丁寧さ)

たとえば、CVRを0.5% → 1.0%に改善できれば、1件の受任にかかる広告費は約105,000円まで圧縮されます。


2. リピート性のある業務かどうか

行政書士の取り扱う業務は、基本的に単発で完結するものが多いのが実情です。

たとえば、相続遺言などは、一度きりの手続きで終わるケースが大半であり、広告費をかけて獲得しても、その後の継続的な収益にはつながりにくい傾向があります。

一方で、建設業許可のような「ストック型」の業務は例外です。

初回の新規許可申請だけでなく、
 → 更新申請(5年ごと)
 → 決算変更届(年1回)
 → 経営事項審査(経審)や入札参加申請
など、事業が継続する限り定期的な手続きが発生します。

このような業務であれば、初回の広告費を「将来的な利益の先行投資」として捉えることができます。


「出すべきかどうか」は、数字と戦略次第

広告を出すかどうかは、単純な感覚ではなく、以下の3点から総合的に判断するのが現実的です。

  1. 現状の数値で採算が合うか?
  2. 改善の余地があるか?
  3. 業務としてリピートや長期利益が見込めるか?

広告は「やる/やらない」ではなく、条件を整えてから判断するべき手段です。
数値を見える化し、改善や方針を練った上で、必要な場合に戦略的に活用していきましょう。


費用感について

広告による集客を「挑戦」として成立させるためには、一定の期間、特定のキーワードで継続的に上位表示される状態を維持することが前提になります。一時的に表示されるだけでは効果が安定せず、検証や改善も難しくなるため、短期的な露出では挑戦とは言いにくいのが実際です。

月に1万円程度の広告費を半年間かける程度では、十分な成果が出る可能性は低く、費用対効果の面でも現実的ではないかもしれません。
一方で、「10万円を半年で使う」というような規模であれば、明確な目的を持って取り組む「挑戦」として成立する可能性があります。